王立グリニッジ天文台は経度0°の子午線が通っています。グリニッジ標準時は国際タイムゾーン・システムの基準です。

1675年にチャールズ2世の命により、初代の王室天文学者であるジョン・フラムスティードはここで天文観測を行い、正確な星座図を作成しました。

17世紀、海運国は、地球の大きさを正確に計測するにはどうしたらいいのか、地表にある場所の位置を示す方法を確立するにはどうしたらいいのかが問題でした。赤道と相対的に南北の座標は経度と呼ばれていましたが、計測の基準が決まっていなかったために、東西の座標を定義するのは非常に難しかったのです。航海中に経度が計算できないということは、地上からどのくらい離れているのかわからないまま航海することを意味していました。コロンブスの時代は月と天体の位置を比べることによって海上で時刻を知ることができました。天体観測により安全な航海を行うことを目的にこの天文台は造られました。

 
地球の時間と位置はグリニッジの子午線によって、経度ゼロ(000°00' 00")との相対関係で計測されます。この天文台が子午線0度に定められたのは1884年のことです。経度と緯度は地球を360度の円としてそれに対する割合として度分秒(000°00' 000'')で表されます。地球は24時間で360度回転します。15度が1時間 です。日本は英国と9時間差があるので、135度東の位置にあるのです。

現在、天文観測は他の場所に移され、内部は博物館になっています。